慢性痛と認知行動療法
慢性痛に対して認知行動療法が
効果的であるとのエビデンスが多く存在します。
しかし、慢性痛に至る経緯や原因は、
物事のとらえ方といった問題だけでなく、
日常生活における姿勢や動き、
生活スタイルや職場といった環境など
体や心、環境といった問題などが
重なりあっていることも
考慮していかなければなりません。
１．臨床の場は、『エビデンス』と『アート』の組み合わせ
臨床の場では、当たり前のことですが
人はそれぞれ違うことを理解する必要があります。
慢性痛＝認知・行動の歪みと当てはめず、
多様な要因が複雑に絡み合っていることを
理解して個々に合わせた治療の提案や
選択をしていくことが大切です。
鍼灸師の世界では、
サイエンス的な側面の「エビデンス」と、
個人の生き方や物語に寄り添っていく「アート」
とのバランスが必要だと言われます。
２．「アート」は「エビデンス」を
使いこなすためのもの
例えば、鎮痛目的として
足三里に前脛骨筋に
鍼通電することは有効だという
「エビデンス」があります。
そこで刺鍼や電気など適量の
機械的刺激を入れるための
技術が必要となります。
ですが、鍼を刺入前の
カウンセリング、
説明といった
技術的なことだけでなく
できるだけ不安や緊張など
痛みや鍼に対する
心理的なケアをする
会話が必要になってきます。
そういった会話による
コミュニケーションは、
「アート」ということが考えられます。
また、施術者にとっての
「アート」は、様々な要因が入った
コミュニケーションの中で
「認知行動療法的な評価や介入」
は認知や行動の歪みを
修正させていくことのできる
スキルとも言えます。
サイエンスは、誰が行っても
同様の結果が出る
再現性がベースとなりますが、
いくらエビデンスがある
治療法だとしても、
人には『情動』があります。
不安や不満があれば、
心理的要素が鎮痛を
阻害することも考えられます。
臨床の場で、
痛みという体や心、環境など
複雑で不確定な要素を含んだものに対して
良好な結果を再現できる
エビデンスを提供したとしても、
その結果には、「アート」の要素が
含まれていることは、容易に想像できます。
３．コミュニケーションに
認知行動療法のエッセンスを盛り込む
クライアントとのコミュニケーションを介して、
認知行動療法のエッセンスを用いることは、
「サイエンス」と「アート」の
両面でサポートしていくことになります。
施術家は、常にクライアントの意向をくみ取り、
「クライアントご自身が痛み対しての
認識や捉え方など痛みを管理できるようになることで
生活の質を向上すること」を目指す必要があります。
まとめ
情報化により、今後もますます
体を動かす機会や身体活動量が低下していく
事が考えられます。
そういった流れの中で施術家にとって
技術だけでなく認知行動療法のエッセンスを
知ることが今後ますます必要になって
くることが考えられます。
整体スクール受講生のみなさんと
学びを深めていけたらと思います。
カイラックス＠整体スクール
※メールでのお問い合わせでは
１、お名前
２、相談事(技術的なことから運営まで)
をお手数ですが、ご記入ください。
整体 スクール代表
相澤景太
カイラックス治療院代表 治療家 整体師 鍼灸師
コンディショニングトレーナー
早稲田大学スポーツ産業研究所招聘研究員
早稲田大学人間科学健康福祉科学科卒
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科
健康スポーツマネジメントコース修士課程修了
トレーニング分野
「身体を資本」とするトップアスリートやモデル、スペシャリストのコンディショニングや
乳幼児からシニアまで幅広い職種、世代の方の健康と美容をサポート
主なコンサルティング実績
シダックス株式会社様 ヴィグロス
国家資格を持つ鍼灸師が安心サポート
女性のための30分簡単フィットネス
シダックス株式会社様 カルチャーワークス
トップアスリート向けフィットネスジム
他、整体院/治療院の
市場分析/集客支援など開業支援から運営コンサルティングなど
主なキャリア相談ついて
・国家資格取得のための専門学校から
健康やスポーツ系の大学、大学院までのキャリア相談サポート
・鍼灸の資格を持ちながらトレーナー活動をしたい方のサポート
講師：榎本裕司
カイラックス治療院恵比寿院院長 資格：整体師 カイロプラクター
村上整体専門医学院 東京カイロプラクティックカレッジ卒
整体技法を応用した施術で身体の感覚を高めるアプローチを行う。