大学新入生の身体活動量と肥満リスク
高校卒業の2年間の
生活パターンがそのまま
その後の体重や体型に影響を
与えている方もいると思います。
先行研究でも
大学生になっての
2年間が
体重増加と肥満のリスクを
含んでいる1,2,3)。
この時期の生活が
それ以降も持続するしやすい１)
といった傾向があるようです。
この時期に自身の活動量と食事量の
調整などができるようになっていればいいのですが
動いているつもりで食べ過ぎてしまうことが
増えていく方も多いと思います。
そこで、今回は、
1日10,000歩以上でも体重増加や脂肪の増加を
防げなかったので、身体活動の強度または
食事介入なども行いましょうねという
新入生の女性を対象にした
身体活動量と体重、体組成の関連を
調べたアメリカのブリガムヤング大学等の実験を
ご紹介させていただきます。
対象者は大学新入生92名で
1日10,000歩、12,500歩、15,000歩の
３つの段階的な歩数と体重や
体組成計の影響を調べています。
1日10,000歩は、推奨されている
歩数であります。
そこで、1日当たり10,000歩以上歩いた場合
大学新入生の体重と脂肪の増加を
抑えることができるかどうか
評価することを目的としています。
方法としましては
1日10,000歩、12,500歩、15,000歩の
3つのグループに分けて24週間の期間
エネルギー摂取量と体重・体組成を調査。
結果は、歩数増加しても
体重に影響がなかったという結果でした。
ちなみに対象者の実験前の歩数は、
平均約9,600歩で
10,000歩のグループは平均11,066歩数
12,500歩のグループは平均13,638歩数
15,000歩のグループは平均14,557歩でした。
歩数増加しても体重に
影響がなかったという結果でしたが
12,500歩のグループと
15,000歩のグループの
両グループで座っている時間が
大幅に短縮されたそうです。
15,000歩のグループでは、
座位時間が1日77分も短縮されていました。
大学生は、
体重増加と肥満のリスクを含んでいます1,2,3)。
これは、多くの大学生がこの時期の生活が
それ以降も持続しやすいこと１)や、
大学生に関するこれまでの研究では、
1～4キロの体重増加や
一部の学生が大学の4年間にわたって
20.8キロの増加するなどの傾向として
入学からの2年間に体重増加することは
共通2,3)しているそうです。
これまでの先行研究では
身体活動は女性の体重と
体脂肪と有意に関連していることが
示されています4，5，6，7)。
高校卒業後は
身体活動の減少する方も多く
食事の調整を行わないと
体重が増加する可能性が言われています。
高校卒業後の2年間
大学であれ、仕事であれ
生活のパターンが
高校時代と大きく
変わる方も多くいると思います。
・できるだけ活動量を減らさないこと
・年齢や活動量に対応した食事量に最適化すること
がやはり必要だと感じます。
公開日2020．2.18
参照WEB)
The Impact of Step Recommendations on Body Composition and Physical Activity Patterns in College Freshman Women: A Randomized Trial
https://www.hindawi.com/journals/jobe/2019/4036825/
１、A. Anderson, J. R. Shapiro, and J. D. Lundgren, “The freshman year of college as a critical period for weight gain: an initial evaluation,” Eating Behaviors, vol. 4, no. 4, pp. 363–367, 2003.
２、J. Hoffman, P. Policastro, V. Quick, and S.-K. Lee, “Changes in body weight and fat mass of men and women in the first year of college: a study of the “freshman 15”,” Journal of American College Health, vol. 55, no. 1, pp. 41–46, 2006
３、B. Racette, S. S. Deusinger, M. J. Strube, G. R. Highstein, and R. H. Deusinger, “Changes in weight and health behaviors from freshman through senior year of college,” Journal of Nutrition Education and Behavior, vol. 40, no. 1, pp. 39–42, 2008.
４、L. Bish, H. M. Blanck, M. K. Serdula, M. Marcus, H. W. Kohl, and L. K. Khan, “Diet and physical activity behaviors among Americans trying to lose weight: 2000 behavioral risk factor surveillance system,” Obesity Research, vol. 13, no. 3, pp. 596–607, 2005.
５、W. Bailey, P. Borup, J. D. LeCheminant, L. A. Tucker, and J. Bromley, “Examining the relationship between physical activity intensity and adiposity in young women,” Journal of Physical Activity and Health, vol. 12, no. 6, pp. 764–769, 2015.
６、W. Bailey, P. Borup, L. Tucker, J. LeCheminant, M. Allen, and W. Hebbert, “Steps measured by pedometry and the relationship to adiposity in college women,” Journal of Physical Activity and Health, vol. 11, no. 6, pp. 1225–1232, 2014.
７、W. Bailey, L. A. Tucker, T. R. Peterson, and J. D. LeCheminant, “A prospective study of physical activity intensity and change in adiposity in middle-aged women,” American Journal of Health Promotion, vol. 21, no. 6, pp. 492–497, 2007.