骨盤を立てる とは、骨盤を前後に傾けすぎず、背骨と頭を支えやすい位置に整えることです。
腰を強く反らせたり、お腹を前へ突き出したりすることではありません。
カイラックスでは、骨盤を土台に骨格と体幹で身体を支える姿勢を「立腰姿勢」と呼んでいます。
立腰姿勢は、骨格とお腹で身体を支える姿勢
骨盤は、上半身と下半身をつなぐ姿勢の土台です。
土台が前後に傾くと、その上にある腰や背中の位置も変わります。背中だけを伸ばしても落ち着かないときは、骨盤から見直してみましょう。
イメージは、骨盤、背骨、頭を積み木のように重ねること。
そのうえでお腹を軽く引き上げ、肩の力はストンと抜く。立腰姿勢では、骨盤を土台にした支え方と、お腹の使い方を合わせて考えます。
「骨で支える」といっても、筋肉を使わずに立つわけではありません。骨格と体幹を一緒に使い、姿勢をつくるための余計な力みを減らすことを目指します。
腰を入れることと、腰を強く反らせることは違います
背骨は、横から見ると首と腰で前、背中で後ろへカーブしています。腰に緩やかな前カーブがあること自体は、反り腰ではありません。
骨盤を立てようとしたときに気をつけたいのは、胸を張り、腰の筋肉で上半身を反らせてしまうこと。
お腹の支えが抜けたまま腰だけで姿勢を保とうとすると、腰まわりが力んでいないか確認したいところです。
骨盤が後ろに傾いた姿勢から起こすと、「反りすぎている気がする」と戸惑うこともあります。慣れない感覚だけで正しい・間違いを決めず、腰の力み、呼吸、動きやすさを一緒に見てみましょう。
痛みが出るほど腰を押し込む必要はありません。腰を入れたときに痛みが増す場合は、動きを小さくするか、いったんやめてください。
お腹を前へ突き出し、上半身が後ろに残る姿勢は、[スウェイバック姿勢とは?反り腰との違い・確認と対策](https://www.kairax.com/blog/post-3261/)で詳しく説明します。
骨盤を立てる感覚は、椅子で確かめてみよう
骨盤がどちらへ傾いているのか分かりにくい方は、安定した椅子で試してみましょう。
1. 足裏が床につく高さで座ります。足が届かなければ、安定した足台を使います。
2. お尻の下にある左右の坐骨が、座面に当たっている感覚を確かめます。
3. 骨盤を後ろへ少し傾け、前へゆっくり戻します。
4. 前後に倒しすぎず、自然に呼吸できる位置を探します。
骨盤が後ろへ傾いたときと、起こしたときでは、座面への当たり方や腰の形が変わるでしょうか。
腰を大きく反らせることより、骨盤が動く感覚を知ることから。椅子で骨盤を前後に動かす方法は、医療機関の運動資料にも紹介されています。[1]
無理のない範囲で少し試し、痛みや強い違和感があれば続けないでください。
立腰姿勢をつくる五つのポイント
椅子で感覚をつかんだら、立ったときにも骨盤、お腹、足元を確認していきましょう。ふらつく方は、安定した台などに手を添えて行います。
① 骨盤をまっすぐ立てる
骨盤を前にも後ろにも倒しすぎず、身体を支えやすい位置へ整えます。
腰だけを反らせたり、お腹ごと前へ押し出したりせず、その上に背骨と頭を積み上げるイメージ。
膝も後ろへ強く押し込み、伸ばし切って固定する必要はありません。
② バンザイして、お腹を上へ引き上げる
両腕を上へバンザイし、指先を天井へ近づけるように、上に上に伸びてみましょう。
下腹部からみぞおちまでが、縦に長くなるイメージです。
お腹を引き上げる感覚がつかめたら、腕だけを下ろし、肩の力はストンと抜く。
胸を前に突き出さず、お腹の伸びた感覚を軽く残します。
肩が痛む方や、腕を上げる制限がある方は、バンザイをせず、腕を楽な位置に置いたまま行ってください。
これは姿勢の感覚をつかむための方法です。
身体を上へ伸ばしただけで、脚にかかる重さがなくなるわけではありません。
③ 足裏全体で支え、かかとの前方を意識する
つま先ばかりに体重をのせたり、かかとの後ろへ倒れ込んだりしていませんか?
カイラックスの姿勢の考え方では、かかとの前方1/3付近、くるぶしの下あたりを、立つときに意識する目安にしています。
かかとだけで立つのではなく、親指と小指の付け根、足指の先も床へ。足裏全体で地面を捉えます。
足指をぎゅっと丸めず、地面に軽く触れている感覚を確かめてみてください。
前方1/3という目安は、全員の最適な重心位置を示す数値ではありません。
後ろへ倒れそうになる、脚が余計に力む場合は、無理に体重を移さず、立ちやすい位置へ戻しましょう。
④ 頭の位置を確認し、肩の力を抜く
骨盤とお腹を整えたら、頭だけが前へ出ていないか、横から確認します。
耳と肩の位置を目安に、首の後ろが楽に伸びる感覚を探しましょう。
あごを強く引いたり、頭を無理に後ろへ押したりする必要はありません。
胸を張って肩を引き続けるより、肩の力をストンと抜く。
そのまま自然に息を続けられるか、確かめてください。
⑤ お腹を固めず、一歩を出してみる
姿勢をつくったら、呼吸を続けながら一歩を出してみましょう。
お腹を強くへこませ続けたり、息を止めたりすると、歩き出しにくくなっていないでしょうか。
形を保つことに集中しすぎず、座る・立つ・歩くときも使いやすいかを確認します。
歩き方の詳しい説明は、別の記事で扱います。
呼吸や体幹運動は、必要なものを選ぼう
立腰姿勢を身につけるために、最初からきつい腹筋運動を行う必要はありません。
まずは、骨盤を動かす感覚と、お腹を軽く引き上げても呼吸できる力加減をつかむことから。
プランク、ブリッジ、レッグレイズなどは、筋力を高める目的に応じて選びます。
腰の反りや痛み、息を止める力みが出る場合は、方法や負荷を見直しましょう。
ストレッチポールなどの道具を使う場合も、製品の説明と指導を受けた方法に沿って、安全に乗り降りできることを確認してください。
呼吸では目いっぱい吸って吐くより、ゆっくり、無理なく続けられることを大切にします。
よくある疑問
お腹は一日中、引き上げておくの?
強く力を入れ続ける必要はありません。
肩や腰が力む、息が止まる場合は、いったん力を抜きましょう。
座り直したとき、立ち上がったときなど、日常の区切りで軽く確認するところから。
姿勢が整っていても、動かずに固まり続けることは避けます。
骨盤を立てれば、脚は細くなる?
姿勢を変えたときに、前ももやふくらはぎの張り方が変わるかを確認することはできます。
ただし、その場の感覚の変化と、脂肪や脚のサイズが変わることは別です。
まとめ:骨盤を立て、お腹を引き上げて支えよう
立腰姿勢のポイントは、骨盤を土台に、背骨と頭を積み木のように重ねること。
お腹を上へ引き上げ、腕を下ろしたら肩の力はストンと抜く。
足裏全体で地面を捉え、自然に呼吸できる強さで身体を支えます。
背すじを伸ばすほど疲れてしまう方は、胸や腰を頑張らせる前に、骨盤、お腹、足元を順番に見直してみてください。
ご自分では感覚がつかめない場合は、普段の立ち方や座り方、つらくなる場面をお伝えください。
[姿勢・下半身の施術内容と相談について]( https://www.kairax.com/price-list/kotsuban/ )もご覧いただけます。
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【監修】
カイラックス治療院代表 相澤景太
治療家 鍼灸師 整体師 コンディショニングトレーナー
早稲田大学人間科学部健康福祉科学科卒
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科
健康スポーツマネジメントコース修士課程修了(スポーツ科学)
日本健康スポーツ従事者協会 理事長
参考資料
1. [South Tees Hospitals NHS Foundation Trust:Pelvic tilt in sitting](https://www.southtees.nhs.uk/resources/pelvic-tilt-in-sitting/)(椅子での骨盤運動の手順)
2. [NHS:Back pain](https://www.nhs.uk/conditions/back-pain/)(運動中止と受診の目安)






