大転子 滑液包炎 が太ももの外側の痛みに
・ランニングをしていると 股関節が痛い
・太ももの外側だけ が痛みを感じる
・横向きで寝ていると 骨盤の横が痛くなる
骨盤の横、太ももの外側に痛みがある
その痛みの原因のひとつが 大転子痛症候群
大転子とは 骨盤横のせり出した骨
大腿骨の外側部分の名称 です
この大転子痛症候群は
・ 小、中殿筋腱炎
・ 腸脛靭帯炎
・ 大転子滑液包炎
などの総称です
そのうちの一つ 大転子滑膜包炎 について
今回 ご紹介させて頂きます
小、中殿筋腱炎については こちらの記事 で
ご紹介しておりますので よろしければ
合わせてご覧ください
はじめに 大転子滑液包とは 何か
骨盤の横の骨 大転子の上には
骨盤と膝をつなぐ靭帯 腸脛靭帯 が付着して
います
脚を動かす時に起こる大転子と腸脛靭帯の摩擦
を軽減してくれるのが 大転子滑液包
大転子と腸脛靭帯の間にある袋で 中にある
液が 滑りを良くしています
しかし 股関節に過度な負担をかけ
オーバーユースになってくると 滑液包自体が
摩擦によって 炎症を起こすケースがあります
この炎症が太ももの外側の痛みにつながります
使いすぎが一番の原因となりますが 股関節の
アライメント不良 や 動作エラーによって
滑液包に負担がかかりやすくなると リスクが
高まってきます
大転子滑液包炎を予防していく為には
股関節に過度な負担をかけない 姿勢や動作を
身につけることが大切です
では どのような姿勢が股関節に負担をかける
のでしょうか
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大転子 滑液包炎 につながる姿勢
大転子周辺にある 滑液包
その上にある腸脛靭帯との摩擦で炎症に
つながっていきます
摩擦が強く起こる原因が 腸脛靭帯の緊張
腸脛靭帯は Knee-in 膝が内に入ることで
緊張が高まってきます
先行研究 では
knee-inでは大殿筋が伸張位となり
腸脛靭帯の緊張を高める 1)
と 述べられています
腸脛靭帯は お尻の筋肉 大殿筋から移行して
くるので knee-in によってお尻の筋肉が
引き伸ばされると 緊張が高まる
立っている時 膝が内を向いていませんか
歩く時 内股歩きになっていませんか
椅子に座る時 脚がハの字 になっていませんか
このような姿勢・動作のクセが knee-in を
無意識的に作り 股関節に負担をかける
その状態で 股関節を使い過ぎることにより
大転子と腸脛靭帯の間にある 滑液包が炎症を
起こしやすくすなる
大転子まわりに痛みが出る際は
膝の向きを正面に向ける ことが重要です
その上で knee-in の原因となる
筋肉のバランスを整えていく
では knee-in を予防していく為には
どこを 整えていけば良いのでしょうか
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knee-inを予防するためのエクササイズ
はじめに knee-inのクセがあるかチェック
していきましょう
1、片足を前に出し 軽く膝を曲げる
2、そのまま 前に重心をかけていきます
knee-inのクセがある方は
このように 膝が内に入ってきてしまいます
理想は 膝とつま先が同じ方向を向きます
このような動作のクセは様々な要因があります
が 主に2か所の筋肉の硬さが考えられます
1、裏もも(ハムストリングス)の外側
大腿二頭筋と呼ばれる筋肉で 膝を曲げる時に
使われる筋肉です
外側が短縮していると 膝を曲げた時に
knee-in しやすくなります
予防のためのストレッチは
・仰向けに寝て 片足を上げる
この時 タオル等を足先に引っ掛け 手前に引く
と 伸ばしやすいです
足を上げると もも裏が痛い 腰が痛い
という方は 伸ばす方と反対の膝を立てて行う
とやりやすくなります
無理のない角度まで 20~30秒ストレッチ
まずは もも裏をストレッチしていきましょう
2、内もも付け根の筋肉
足の付け根に 恥骨筋 という筋肉が付着して
います
股関節を内側に捻る筋肉です
ここが短縮してくると 内股になりやすくなる
恥骨筋を緩めるには
・床に足の裏と裏を合わせ 両ひざを外に開く
出来る限り 骨盤を立て 背筋を伸ばす
余裕があれば 顔を正面に向けたまま
股関節から上半身を折りたたむように前に倒す
無理のない体勢で 20~30秒ストレッチ する
knee-inチェックで 膝が内に入る方は
この大腿二頭筋、恥骨筋 のストレッチを行い
原因となる筋肉を緩めていきましょう
ストレッチで筋肉を緩めたら
膝を正面に向けて まっすぐ足を出す動作
を 身につけていきます
方法は 前後に足を振る
膝とつま先をしっかり正面に向けて
脚の力は極力抜いて 振り子のように
前後に振っていく
筋肉を力ませず 股関節を動かすことで
滑液包の摩擦軽減につながります
股関節のアライメントを整え 正しい動作を
身につけることが 予防となります
そして何より 大転子滑液包炎は
使いすぎ が一番の原因です
強い痛みがある際は 無理せず休息をとり
安静にすること をお勧めいたします
休んでも痛みが取れないケースなどは
専門家にご相談ください
参照WEB:
1)https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2011/0/2011_Ab0681/_pdf/-char/ja
文責 : 榎本 裕司
整体師歴20年 カイロプラクター
コンディショニングトレーナー
カイラックス恵比寿院 院長
日本健康スポーツ従事者協会 理事
Wasedaウェルネス研究所 研究員
監修:相澤 景太
カイラックス治療院 代表
整体師 鍼灸師(国家資格)コンディショニングトレーナー
早稲田大学 人間科学部 健康福祉科学科卒
早稲田大学大学院 スポーツ科学研究科 健康マネジメントコース修士課程修了(スポーツ科学)
早稲田大学スポーツ産業研究所 招聘研究員
作成日:2020.12.02